CDH6を標的としたADC CUSP-06は、前臨床がんモデルで抗腫瘍効果を示す
カドヘリン6(CDH6)は、胚性腎臓発生中に高い発現を示す膜貫通タンパク質であり、成人組織では非常に限られた発現しか認められませんが、卵巣がんや腎がんなどのいくつかの悪性腫瘍で過剰発現しており、疾患進行と予後不良と関連しています。この発現パターンは、抗体薬物複合体(ADC)の開発にとって魅力的なターゲットとなります。
最近の研究により、CDH6を標的とするADC CUSP-06が、前臨床がんモデルで有望な抗腫瘍効果を示すことが明らかになりました。CUSP-06は、CDH6を認識する抗体と強力な細胞毒性化合物とを結合させたものであり、CDH6の過剰発現する腫瘍細胞を選択的に攻撃することができます。
研究者たちは、CDH6過剰発現を示す卵巣がん、腎がん、子宮頸がん、肺がん、胃がんなどのがんサブタイプに対して、CUSP‐06の抗腫瘍活性を評価しました。その結果、CUSP-06は、これらのがんサブタイプを含むがん細胞株に対して、高い細胞毒性を示すことがわかりました。さらに、マウスモデルを用いた前臨床試験でも、CUSP-06は腫瘍の成長と生存率を有意に改善することができたと報告されています。
これらの結果は、CDH6を標的とするADCが、CDH6過剰発現を示すがん細胞に対する有望な治療法であることを示唆しています。今後の研究により、CUSP-06の安全性と有効性がさらに検証されることが期待されています。
なお、この研究成果は、米バイオテクノロジー企業のCrestone社の研究チームによって発表されました。Crestone社は、がん免疫療法やADCの開発に注力するバイオテクノロジー企業です。
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